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ポイントが企業の利益に与える影響

消費者が買い物で得たポイントは一種の資産となりますが、ポイントを発行した企業や商店にとっては、費用や負債として扱われるので利益や純資産を減少させます。

費用や負債として扱われるポイントを企業や商店は、どのタイミングで会計処理するかによって、利益や純資産に与える影響が異なってきます。

ポイント使用時に値引き

従来は、ポイントは値引きとして扱われていたので、企業は顧客がポイントを使用した時にそれに相当する金額を売上の値引きとして会計処理していました。しかし、ポイントは顧客が買い物をした時に発行されるので、ポイントを使うまでは利益に影響が出ない値引きという会計処理は好ましくありません。

また、売上値引き処理は、未使用のポイントがどれだけ残っているのかを外部から知ることができない点も好ましい会計処理とは言えません。



決算時に引当金処理

売上値引き処理の欠点を解消するために行われるようになったのが、決算時にポイント残高を引当金として会計処理する方法です。

簡単に言うと、企業や商店の決算日時点で未使用のポイントを費用として処理するとともに同額を負債として計上する会計処理です。

ただし、未使用のポイントがすべて行使されるわけではないので、将来、行使されるであろうポイントを見積もって、それを現金換算した額を費用処理、負債計上します。なお、顧客がポイントを使って買い物をした時は、ポイント相当額の売上値引きとして会計処理します。

「ポイント使用時に値引き」を行う会計処理との違いは、決算日に未使用のポイントが将来どの程度行使されるかを見積もって、費用処理、負債計上する点にあります。

国内ではこの方法が採用されています。

ポイント発行時に負債計上

国際財務報告基準(IFRS)では、顧客にポイントを発行した時点でポイント相当額を負債計上しなければなりません。あわせて、ポイント発行と同額を売上から減額します。

ポイントが行使された時に負債を減額し、顧客から受け取った現金と減額したポイントの現金換算額を合計して売上計上します。ポイントが失効した時には、その現金換算額を売上計上し、負債を減額します。

IFRSが求める会計処理は、企業にとって最も厳しいものとなっています。早い時期に負債が計上されますし、ポイント分の利益計上はポイント行使時やポイント失効時まで繰延べられます。そのため、上記2つの会計処理との比較では、利益は少なく、負債は多く計上されやすい傾向があります。

今後、国内でのみ事業活動を行っている企業や商店にもIFRS基準が適用されると、顧客へ発行するポイントが少なくなる可能性があります。