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クレジットカードの分割払いが長期に及ぶ場合の会計処理
事業用のクレジットカードで、分割払いやリボ払いで資産を取得したり経費の支払いを行った際、返済期間が長期に及ぶことがあります。
商品の仕入から発生した債務は買掛金に計上します。支払期間が短期でも長期でも、使用する勘定科目は買掛金です。しかし、買掛金以外の債務は支払期間が短期か長期かによって会計処理が異なります。
短期と長期の判断
支払期間が短期か長期かを決める指標は、1年を超えるかどうかです。
具体的には、決算日の翌日から起算して1年以内に決済日が到来する債務は短期、1年を超えて決済日が到来する債務は長期となります。例えば、決算日が3月31日の法人の場合、4月1日から翌年3月31日までに決済日が到来する債務は短期、翌年4月1日以降に決済日が到来する債務は長期に分類します。
クレジットカードでの仕入以外の支払いを分割払いとし、決算日現在で未決済となっている場合は、基本的に未払金勘定に計上します。ただし、決算日の翌日から起算して1年を超えて返済する未払金は長期未払金に計上しなければなりません。
決算整理仕訳で長期未払金に振替え
クレジットカードで分割払いを選択した場合、期中は未払金勘定に計上しておいて構いません。しかし、決算日に返済期間が長期に及ぶ未払金は決算整理仕訳で長期未払金に振替えなければなりません。
例えば、3月31日決算法人が、事業用クレジットカードを使って1月15日に24回払いで24万円の事務用コピー機を取得したとします。月々の支払いは1万円。そして、決算日時点で22回分の支払いが残っていたとします。この場合、1月15日と3月31日の会計処理は以下のようになります。なお、消費税と利息は省略しています。
1月15日の会計処理
- (借方)
備品 240,000円 -
(貸方)
未払金 240,000円
3月31日の会計処理
- (借方)
未払金 100,000円 -
(貸方)
長期未払金 100,000円
3月31日時点で22回分の支払いが未決済となっているので、4月1日から起算して1年以内に決済日が到来するのは12回分、1年を超えて決済日が到来するのは10回分です。したがって、10回分の未決済残高10万円(1万円×10ヶ月)を未払金から長期未払金に振替えます。
また、貸借対照表では短期の未払金は流動負債、長期未払金は固定負債に表示します。
なお、翌年度末には、長期未払金に計上した10万円が1年以内に決済予定なので、未払金に振替えなければなりません。
長期の分割払いでの資産の取得が多くなると、決算整理仕訳で未払金を短期と長期に区分する手間も増えます。決算整理仕訳を楽にするためには、分割払いで資産を取得した時に返済スケジュール表を作成しておくと便利です。毎月の返済額と毎月末の未決済残高が一目でわかるような表を作成します。決算日時点で長期未払金がいくらになるのかもあらかじめわかっているので、決算月の残高は短期と長期に分けて記載しましょう。