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クレジットカードで貯めたポイントを商品券と交換した時の会計処理

クレジットカードを使って商品を仕入れたり、経費の支払いを行うとカード会社からポイントがもらえます。貯めたポイントは、様々な特典に利用できますが、多くのカード会社では商品券(ギフトカード)とも交換できるようになっています。

では、法人や個人事業主が、事業用のクレジットカードを使って貯めたポイントを商品券に交換した場合の会計処理はどのようにすべきでしょうか。

ポイントを商品券に交換した時に雑収入処理

クレジットカードを使って仕入や経費の支払いを行いポイントをもらった場合は、その時点では会計処理の必要はありません。

ただし、ポイントを商品券と交換した時には雑収入として会計処理しなければなりません。例えば、8月3日にポイントを1,000円分の商品券と交換した時には以下のように会計処理します。

8月3日の会計処理

  • (借方)
    前払金 1,000円
  • (貸方)
    雑収入 1,000円

課税事業者の場合も、ポイントと商品券との交換は課税対象外取引(不課税取引)なので、上記会計処理となります。また、借方の前払金は貯蔵品でも構いません。なお、商品券勘定は、商品券を発行した事業者が負債に計上する勘定科目なので、商品券を取得した側が当該勘定科目で資産計上することはありません。

商品券で仕入や経費の支払いをした時の会計処理

ポイントと交換した商品券を使って、商品の仕入や経費の支払いをした場合は、使用した商品券の額面が取得原価または費用処理額になります。

例えば、9月5日に1,000円の商品券を使って事業用の文房具を購入した場合は、以下のように会計処理します。

9月5日の会計処理

  • (借方)
    消耗品費 1,000円
  • (貸方)
    前払金 1,000円

また、課税事業者の場合は以下のように会計処理します。なお、消費税率は10%で計算しています。

課税事業者の9月5日の会計処理

  • (借方)
    消耗品費 910円
    仮払消費税 90円
  • (貸方)
    前払金 1,000円

商品券を従業員に支給した場合

商品券は、事業用の資産の取得や経費の支払いの他、出産祝いや皆勤賞など従業員に福利厚生の一環として支給する場合があります。

商品券は流通性が高く換金しやすいので、従業員に商品券を支給することは金銭で支給したのと同じ扱いになります。そのため、給与として会計処理します。

商品券を従業員に支給した場合の会計処理

  • (借方)
    給与 1,000円
  • (貸方)
    前払金 1,000円

なお、商品券を従業員に支給して給与として処理した場合には、所得税の源泉徴収も必要です。仮に100円の源泉徴収が必要だった場合には、上記仕訳に追加して以下の仕訳が必要になります。

源泉徴収の会計処理

  • (借方)
    給与 100円
  • (貸方)
    源泉所得税預り金 100円

期末に商品券が残っている場合

ポイントを商品券に交換したけども、期末までに使い切らずに残していた場合には、前払金勘定に計上し続ける方法もありますが、決算整理仕訳で貯蔵品勘定に振替える方法もあります。例えば、期末に300円分の商品券が残っており、決算整理で貯蔵品勘定に振替える場合は以下のように会計処理します。

期末に商品券が残っている場合の会計処理

  • (借方)
    貯蔵品 300円
  • (貸方)
    前払金 300円

なお、前払金勘定は商品の仕入に先立ち仕入先にあらかじめ支払った際に使用する勘定科目なので、商品券を取得した時には「仮払金」としておく方が望ましいでしょう。その場合、期末に商品券が残っていれば決算整理仕訳で仮払金から貯蔵品に振替えなければなりません。

商品券は現金と同じように管理する

先ほども述べましたが、商品券は流通性が高く容易に換金可能なので、盗難や不正使用の危険性が高いです。そのため、社内で管理する際は現金と同様に扱わなければなりません。

商品券の保管は、現金と同じく金庫の中にすべきです。また、商品券の残高を常に明らかにしておくために補助簿を作成し、頻繁に実物検査も行う必要があります。