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支払可能見込額の導入で過剰与信を防止

クレジット会社は、経済産業大臣が指定信用情報機関として指定した信用情報センターを利用して消費者の支払能力調査をすることが義務付けられています。

これにより、クレジット利用者が多重債務に陥らないための過剰与信の防止が期待されます。

割賦販売法の支払可能見込額

貸金業法には、年収の3分の1までしか貸し出せない総量規制があります。これと同じように割賦販売法でも、クレジット契約について支払可能見込額が定められており、クレジット会社はこれを超えたクレジットの契約を消費者と結ぶことができません。

クレジット会社は、クレジット利用者の年間支払可能見込額を算定する必要があり、また、クレジット債務を調査するために指定信用情報機関に個人信用情報を登録、照会する義務が課されています。

クレジット会社は、翌月一括払い(マンスリークリア)以外の個別クレジットについて以下の計算式で支払可能見込額を計算します。


  • 支払可能見込額=年収-生活維持費-クレジット債務

クレジットカードの場合は、上記の計算式で求めた金額に90%を乗じた金額が支払可能見込額になります。

年収は自己申告が基本で証明書などは求められません。



生活維持費の標準

生活維持費に関しては、住宅所有の有無、住宅ローンの有無、世帯人数などにより、法律で以下のような簡便な計算式から算定することが定められています。

住宅所有かつ住宅ローンなし

  • 4人世帯以上=200万円
  • 3人世帯=169万円
  • 2人世帯=136万円
  • 1人世帯=90万円

住宅不所有かつ借賃支払なし

  • 4人世帯以上=200万円
  • 3人世帯=169万円
  • 2人世帯=136万円
  • 1人世帯=90万円

住宅所有かつ住宅ローンあり

  • 4人世帯以上=240万円
  • 3人世帯=209万円
  • 2人世帯=177万円
  • 1人世帯=116万円

住宅不所有かつ借賃支払あり

  • 4人世帯以上=240万円
  • 3人世帯=209万円
  • 2人世帯=177万円
  • 1人世帯=116万円

例えば、年収300万円、クレジット債務なし、賃貸マンション暮らしで家賃支払いがある1人暮らしの方の個別クレジットと包括クレジット(クレジットカード)の支払可能見込額は以下のように計算します。

  1. 個別クレジット=300万円-116万円-0=184万円
  2. 包括クレジット=上記「1」の金額×90%=165.6万円

次々販売の防止

このように支払可能見込額の算定がクレジット会社に義務付けられていることで、クレジットの加盟店は、消費者に必要のない商品を何個も買わしたり、エステなどのサービスを数年分前払いさせることが難しくなりました。

以前に認知症の老人に何度も同じような契約をさせる次々販売が問題となりましたが、現在は、支払可能見込額の範囲までしか与信できないので、多額のクレジット残高を消費者が負担する危険性が低くなりました。

そのため、支払可能見込額の算定をクレジット会社に義務付けたことは、悪徳業者による過剰与信から消費者を守る役割を果たしていると言えます。